「大きな木」

　ある丘の上に　大きな木が立っています
　その木には　たくさんの果実が実っています
　
　大きな木はいろいろな話を知っていて、毎日毎日　果実たちに
　話をしていました

　すると　不思議なことに、今まで青一色だった果実たちが
　赤・黄・桃・橙・・・と　色を変え始めたのです

　色とりどりの果実たちは、自分の力で地面に落ち　新しい自分　の芽を出したり、
「食べてもいいよ」と思った人の　手の中に入ったり、様々な　　ところへ　出掛けていきました

　1年後　大きな木には　また、たくさんの果実が実りました

　大きな木が話しかけると、また果実たちは色づき　
　そしてまた出掛けていきました

　でも　1つだけ　青いままの実がありました
　　
　大きな木は、やさしく話しかけてくれました
　でも　青いままなのです・・・

　大きな木は尋ねました
　「どうして　あなたは青いままなの？」
　
　青い実は答えました
　「だって　私なんかみんなみたいにきれいな色には　
　なれないんだもの！！ほっといてよ！！」
　

　大きな木は　それでも話しかけました
　青い実は　だんだん　大きな木のことが好きになりました
　
　大きな木と　青い実は　仲良しになりました

　でも、青い実は　青いまま・・・・・・・・

　ある時　大きな木は言いました
　「自分できれいな色になってやろう！と思わなきゃだめよ　
　私に　ずっとくっついてたらだめなのよ　あなたもいつか
　旅にでなくっちゃ！！」

　青い実は　とってもさみしかったけど、自分で頑張ってみまし　た
　少しずつ　少しずつ　色が変わっていきます
　大きな木は　その間もやさしく話をしてくれます

　青い実は、今までのどの果実たちよりも　きれいな色になりま　した

　そして・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

　　　　


　自分の力で地面に落ちて　自分だけの新しい芽を　出そうと
　頑張っています





　私は青い実を育てられたかな〜
　私は大きな木になってたのかな〜